難聴にはさまざまな原因があります。難聴につながる原因を知っていただくことでどのような対処法方があるのか見ていきましょう。
米国国立衛生研究所(NIH)によると、米国国内では、約3,750万人の成人が重大な難聴を抱えていると推定され、難聴は人々が直面する最も一般的な健康問題のひとつとなっています。
難聴の原因の大部分は解明されていますが、現在もさらに難聴の原因について、また予防法や治療法についての研究がされています。
遺伝性難聴
遺伝性難聴には、伝音性、感音性またはその双方の症状をもつ混合性難聴があり、親からの遺伝形質の結果によるものです。
多くの遺伝性難聴は出生時からの先天性のものですが、年齢とともに難聴が徐々に進行するものもあります。
加齢性難聴
加齢性難聴、または老人性難聴は、年齢とともに聞こえの力が徐々に低下していく難聴です。
この種類の聴力低下は永久的で、一般的には、鳥のさえずりや電話の着信音のような高い音域の聴力低下が見られるところに特徴があります。
加齢性難聴の主な症状には、特ににぎやかな環境で交わされる会話を理解する際に困難を感じる、また周囲の人がはっきりと話さず不明瞭な話し方をしていると感じることなどが挙げられます。
また、特定の音が耳障りまたは大きすぎると感じる、さらに耳鳴りを感じるなどもあります。
加齢性難聴は感音性難聴の一種であり、一般に加齢とともに起こる内耳の変化が原因とされます。
また、中耳の変化や脳に通じる神経経路の変化が原因の場合もあります。
心臓病、高血圧または血管の状態による耳への血流の変化もまた、加齢性難聴に影響を与えることがあるとされます。
加齢性難聴は、通常、両耳に同じように徐々におこります。
年齢と共にゆっくりと発生するので、聞こえづらさが進行したり、他の人に聞こえの問題を指摘されるまで、ご自身では気付かないかもしれません。
騒音性難聴
騒音性難聴は、長時間大きな騒音に曝されることによって引き起こされます。
交通騒音、建設工事、騒がしいオフィス環境、または大音量の音楽を聴くなど日常生活で絶え間なく大きな音にさらされることは、聴覚に悪影響を与える可能性があります。
騒音性難聴は一般には本来一時的なものですが、大きな騒音に繰り返し曝され続けると、耳の回復がより困難になっていきます。
騒音は内耳の有毛細胞に損傷を与え、難聴を時間とともに悪化させ、永続的になる可能性があります。
重要:ほとんどの騒音性難聴は、予防することができます。
米国疾病管理予防センターは、若い世代の難聴について警告しています。
6~19歳の約10人のうち1人がすでに大きな騒音に過度に曝されることで聴覚に永久的な損傷を受けていると推定しています。
その原因にはヘッドフォン、ステレオ機器類およびコンサートなどで大音量の音楽を聴くことがあります。
また、この他にも工事現場などでの建設機械やその他の作業機器の騒音が含まれます。
騒がしい環境では耳栓を使用する、個人で楽しむMP3プレイヤーやスマートフォンなどを含む音楽プレイヤーでは適切な音量で聴くことで、難聴のリスクを大幅に低減することができます。
難聴と関係のある病気
難聴の原因につながる多くの疾患や障害があります。
- 耳硬化症 - この疾患は、中耳の小さな骨の動きに影響を及ぼし、伝音性難聴を引き起こすもので、通常は手術で治療されます。
- メニエール病 - この病気の原因は明らかではありませんが、症状には通常、変動する難聴、めまい、耳鳴(耳鳴り)が含まれます。
一側性難聴
一側性難聴(UHL)とは、左右いずれか片側の耳だけに発生する難聴です。
難聴がある側の耳で会話を聞くことや音源を特定することが困難になります。
一側性難聴の原因には以下が含まれます。
- 耳/頭部の外傷
- 自己免疫性耳疾患
- 片側の耳が過度な騒音へさらされたこと
- 遺伝的な状態によるもの
- 病因が分かっていない特異的な症候群
- 疾患および感染症
頭部の外傷および腫瘍
難聴の別の原因として、聴神経腫などの腫瘍が挙げられます。
腫瘍に関連した難聴には、耳鳴(耳鳴り)が含まれる場合もあれば、片耳または両耳に閉塞感がある場合もあります。
頭部の外傷では、内耳を損傷するなどした場合、一時的または永久的な難聴を引き起こすことがあります。
頭部に負傷を負った場合は、直ちに医師を受診してください。
原因がわかることで適切な治療や対処法につながります
難聴につながる潜在的な原因は非常に多くあります。
耳鼻科の専門医では、様々な検査やテストを行って原因を探し出していきます。
原因が明らかになることで適切な治療そして聴覚ケアへつながります。
いつもと聞こえが少しでも異なると感じたらすぐに耳鼻科の専門医にご相談ください。
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記事投稿者
ヘルシーヒアリング編集局
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