多くの場合、聴力は少しずつ低下するため、難聴に気づかないこともあります。
難聴は、さまざまな形でその影響が現れます。ときどきことばが聞きとりづらいといったものから、コミュニケーションに困難を感じ引きこもりがちになるなど社会との関わり方に影響することもあります。ただ言葉が聞きとりづらいというだけでなく、私たちの生活の質(QOL)や健康、また周囲の人々との関係の問題にまで及ぶのです。
多くの場合、聴力は少しずつ低下します。このため難聴に気づかないまま生活を送り、無意識のうちに負担になっていた…ということがあるかもしれません。これからご紹介する難聴の兆候について知ることで、適切なサポートを受けるきっかけにしましょう。
難聴の一般的な兆候
難聴には、さまざまな原因があり、また難聴はいくつかの種類にも分かれます。原因や種類は異なれども、難聴の兆候は似ています。まず一般的な兆候について見てみましょう。
- テレビやラジオなどの音量を大きくしがち
- 特にレストランなど騒がしい環境で、会話を理解することが難しい
- 周囲の人が不明瞭な話し方をしていると感じる
- 電話での会話を聞き取ることが難しい
- 何度も聞き返す、また繰り返しての説明が必要なことがある
- 地域や友人たちとの集まりなどの社会活動を避けがちになる
- 地域や友人たちとの集まりなどに参加した後に疲れを感じる
- 耳鳴りがする
もっとも一般的な難聴とは?
もっとも一般的な難聴は「感音性難聴」と呼ばれる難聴です。感音性難聴には一般的に高音域の音を聞が聞きにくいという特徴があり、しばしば次のような音の聞き取りに難しさを感じます
- 女性や幼い子どもの声
- 「か」や「し」といった特定の子音の聞き取り。「おかあさん」が「おあああん」と聞こえるなど一部の言葉の理解が難しくなります
- 車のウィンカー(方向指示器)の音
- キッチンタイマーや電子レンジの音など
- 電子体温計の(ピピっという)ブザー音
- 鳥のさえずり
振動、騒音な度が引き起こす一過性聴力低下と永久性難聴
一過性聴力低下(TTS)とは、大音量で奏でられるコンサート、銃声や花火など大音量にさらされることで起こります。自衛隊の隊員やヘリコプターのパイロットなど、日常場面で爆音にさらされる可能性が高いことで起こる職業上の理由からの聴力低下もあります。一過性聴力低下は、耳鳴りを伴うこともあります。数時間で聴力が戻ることもあれば、回復までに数日間かかることもあります。
一方で頻繁に大音量の騒音にさらされている場合、一過性の聴力低下からの都度の聴力回復がより困難になり、永続的な難聴につながる可能性があります。一過性聴力低下とは異なり、永久性難聴は通常、内耳の聴神経や小さな有毛細胞の損傷を伴い、聴力低下を元に戻すことができません。永久性難聴の多くでは最適な解決法は、聞こえに合わせて適切に調整された補聴器とされています。
子どもの難聴
国内の国立成育医療研究センターによれば、先天性難聴は新生児約1,000人に対して1人の確率でかかるとされます。子どもの難聴は、出生直後に病院などで実施される「新生児聴覚スクリーニング」検査が一般的なものとなりつつある現在、比較的早期に発見されることが増えてきていますが、子どもの成長には個人差も多く、依然として子どもの難聴の発見は簡単ではありません。
保護者や周囲の方々が日々の生活で次のような点に注意して、お子さんを観察いただくことは小さな耳の健康を守るだけでなく聞こえの問題や難聴の早期発見へとつながります。
子どもの難聴の兆候
- 発語および言語発達の遅れ
- 大きな音がしても本人が驚かない
- 音が発生する方向や場所を位置づけることができない(音がどこから来ているかわからない)
- 授業についていくのが難しいなど成績への影響
- 学校での問題行動
- 学習障害の診断など
まとめ
ここでは大人と子どもの難聴の兆候についてご紹介しました。大人では、自分自身が気づくよりもっと早い段階から聴力低下が始まり、時間の経過とともに徐々に進行していることがあります。ご自身、お子さんやご家族、または近しい人の聞こえがいつもと違う、また難聴があるのではと感じる際は、早めの耳鼻咽喉科医へのご相談が良い結果へとつながります。良い聞こえのためには定期的な聴力検査を習慣にしていただくことが有効です。
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記事投稿者
ヘルシーヒアリング編集局
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