「ピーピー」「キーン」といった音が補聴器から発生するハウリングは、装用者にとってわずらわしいものです。その発生原因を知り、対処することで、ハウリングの発生を抑制し、日常を快適に過ごせるようにできます。本記事では補聴器のハウリング発生のメカニズムの解説と、その対処法をご紹介しますので、お役立てください。
キーポイント:
- 補聴器のハウリングは、本体のスピーカーの音がマイクによって拾われることで発生します。
- これにより、「ピーピー」「キーン」といった音がします。
- 現代の補聴器はハウリング対策の機能がそなわっています。ハウリングにお困りの場合は、多くの場合、自宅での簡単な対処、あるいは補聴器販売店のサポートによって解決します。
ハウリング起こる原因
ハウリングは補聴器のスピーカーから出た音が耳から音漏れし、補聴器のマイクがその音を拾うことによって起こります。そのとき「ピーピー」「キーン」といった音が発生します。カラオケのマイクをアンプやスピーカーに近づけすぎたときと似た現象です。
ハウリングの語源はhowlingで、オオカミの遠吠えなどを表す英語です。ハウリングは英語圏ではハウリングではなくfeedback(フィードバック)と呼びます。これは、出力が入力に戻されることに由来します。
ハウリングへの対処
補聴器のハウリングを予防する3つの簡単なコツ
- まず、補聴器のドームやイヤモールドの位置を変えてみてください。
- それでも改善されない場合は、耳や補聴器をよく清掃してください。
- それでもハウリングが続くようであれば、販売店で補聴器の点検をお受けください。
補聴器のハウリングは健康に害こそないですが、煩わしいものです。問題解決のために試すことができる対処をいくつかご紹介します。
1.正しく装用していますか?
まず、補聴器が適切に装着されていることを確認してください。耳に正しくフィットするよう、ドームやイヤモールドの位置を変えてみてください。
2.耳垢の影響は?
余分な耳垢を取り除くと、外耳道が開き、音波が遮られることなく鼓膜に伝わるようになります。耳や補聴器に付着した耳垢を掃除してみてください。
3.販売店に相談する
これらのヒントを試してもハウリングが続く場合は、補聴器をお買いになった販売店にご相談ください。本体や形状に問題があるかどうかの点検、補聴器が適切に装用されているかの確認を行います。まれに、外耳道の形が時間とともに変化し、補聴器のフィット感に影響を与える可能性があるため、別の補聴器や新しいイヤモールドが必要になる場合があります。
新しい器種の方がハウリングしづらくできている
先進のデジタルチップによるハウリングの抑制機能が補聴器には搭載されており、その性能は向上を続けています。そのため、軽度から中等度の聴力レベルである場合、ハウリングは起こりづらくなっています。
補聴器の異音
補聴器がパチパチといったハウリング以外の雑音を発する場合は、修理が必要である可能性が高いので、補聴器販売店にご相談ください(バッテリー残量の低下、湿気や汚れなど、補聴器の異音はハウリング以外の問題であることもあります)。
補聴器の買い替え
あなたの補聴器が以前ほど調子がよくないと感じられる場合、買い替えの時期かもしれません(関連記事:補聴器の寿命はどのくらいですか?)。購入から数年を経ていれば、より先進的な技術を搭載した現代の補聴器はハウリングの可能性が低く、よりクリアな音を届けることができるので、より高い満足感が得られるかもしれません。
補聴器を検討するにあたっては、難聴や補聴器について専門知識をもつ補聴器相談医を受診し、補聴器販売店にて専門的なサポートを受けることがおすすめです。購入前の無料レンタルも活用を検討してみてください。
■英語版記事はこちらから
米国「HealthyHearing」2024年5月20日の記事「Hearing aid feedback」(Joy Victory 寄稿)
https://www.healthyhearing.com/report/53556-Hearing-aid-feedback-troubleshoot
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記事投稿者
ヘルシーヒアリング編集局
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