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「耳あな型」と「耳かけ型」を徹底比較!あなたに合う補聴器はどっち?

  • 公開日:2024.09.25
補聴器
メリット・デメリット

補聴器には、大きく分けて「耳あな型」「耳かけ型」「ポケット型」の3つのタイプがあります。このうち、近年最も普及しているのは、「耳あな型」と「耳かけ型」の2種類です。一方で、それぞれに特徴やメリット・デメリットが異なるため、どちらが自分に適しているのかお悩みの方も実は少なくありません。

本記事ではこの2つのタイプの補聴器を徹底比較し、自分にピッタリな補聴器を選ぶためのヒントをご紹介します。耳あな型と耳かけ型、それぞれの形状や装着方法、使用感などを詳しく解説しますので、ぜひ補聴器選びの参考にしてください。

補聴器の「耳あな型」「耳かけ型」とは? それぞれの特徴について

現在、補聴器ユーザーの多くが使用する「耳あな型」「耳かけ型」には、それぞれに以下のような特徴があります。

耳あな型補聴器の特徴

耳あな型補聴器

耳あな型補聴器はその名の通り、耳のくぼみや穴に装着するタイプの補聴器です。補聴器の中では比較的サイズが小さく、目立ちにくいという利点があります。また、個人の耳の形状に合わせてオーダーメイドで作製するのが一般的で、外れにくく、フィット感が良いのも特徴です。

その耳あな型補聴器には、大きさによって次の3つのタイプがあります。

  • ITE(フルサイズ):耳のくぼみ全体に入るタイプで、補聴器がやや目立ちますが、軽度から高度・重度の難聴まで幅広く対応しています。
  • ITC(カナル):耳の穴の入り口までのサイズで、ITEより目立ちにくい設計です。軽度から高度難聴まで対応しています。
  • CIC/IIC:耳の穴にすっぽりと収まる小型の補聴器で、外から見えにくいのが特徴です。軽度から中等度難聴に対応しています。

耳かけ型補聴器の特徴

耳かけ型補聴器

耳かけ型補聴器は、耳の後ろにかけて使用するタイプの補聴器です。耳穴に入れる「耳栓部」と、耳の後ろにかける「本体」に分かれており、両者は細いチューブやコードでつながっています。補聴器ユーザーの間では昔から人気がある形状で、補聴器といえばこのタイプを思い浮かべる方も多いようです。

その耳かけ型補聴器には、次の2つのタイプがあります。

  • BTE(従来型):耳の後ろに本体をかけ、チューブを通して音を伝えるタイプです。本体にレシーバー(スピーカー)を含むすべての機能が内蔵されています。軽度から重度・高度難聴まで幅広く対応可能で、従来からある代表的な補聴器です。
  • RITE(RIC):耳後ろの本体と耳栓部が細いコードでつながれたタイプで、耳にかける部分が小さく、スタイリッシュなデザインが特徴です。また、音が出る部分が鼓膜に近いため、より良い状態の音が耳に届きます。主に軽度から中等度難聴に対応しますが、近年は高度・重度難聴にも対応できる製品も増えています。

自分にピッタリな補聴器は? 「耳あな型」「耳かけ型」のメリット・デメリット

補聴器を選ぶ際は、耳あな型・耳かけ型のそれぞれのメリットとデメリットをよく理解しておくことが大切です。以下の内容を参考に、自分にピッタリな補聴器を見つけていきましょう。

耳あな型補聴器のメリット・デメリット

耳あな型のメリット・デメリット

耳あな型補聴器は、その小ささと目立ちにくさが最大の魅力です。耳のくぼみや穴にすっぽり収まるため、補聴器の見た目が気になる方におすすめです。また、フィット感が良く、外れにくいためメガネやマスクの着脱もスムーズです。スポーツで汗を流す方にも、耳あな型は適しています。

一方で、耳あな型補聴器は、耳を塞がれる感覚や自分の声がこもって聞こえる感じが気になってしまう方も少なくないようです。このような違和感に慣れず、補聴器を着けづらいと感じる方は、耳かけ型補聴器のほうが快適に使える可能性が高いでしょう。

耳かけ型補聴器のメリット・デメリット

耳かけ型のメリット・デメリット

耳かけ型補聴器の最大のメリットは、その対応範囲の広さです。軽度難聴から高度・重度難聴まで幅広く対応できるため、どの聴力レベルの方にもおすすめできます。また、耳を塞がれる感覚が少なく、自然な音が入りやすいことや、デザインの選択肢が豊富なのも魅力です。さらに、耳かけ型補聴器は試聴ができるため、実際の使用感を購入前にチェックできるのもメリットでしょう。

一方で、耳かけ型は本体が耳の後ろにあるため、メガネやマスクの着脱の際に少し煩わしく感じるほか、汗の影響を受けやすいというデメリットがあります。

耳あな型と耳かけ型、どちらを選ぶべき? 補聴器選びのポイント

以上のメリット・デメリットのほかにも、自分に合った補聴器を選ぶためにはいくつかの重要なポイントがあります。

自分の聴力に合わせて選ぶ

補聴器選びで最も重要なのは、自分の聴力レベルに合った製品を選ぶことです。例えば、耳あな型補聴器の購入を希望しても、IICやCICタイプは高度・重度難聴に対応できない場合があります。したがって、補聴器を購入する前に必ず補聴器相談医がいる耳鼻科を受診し、詳しい検査を受けるようにしましょう。

ライフスタイルに合わせて選ぶ

自身の聴力レベルがわかったら、以下の4つのポイントを参考に、生活スタイルや環境に適した補聴器を探してみましょう。

見た目を重視するか、装着感を重視するか

人と接する機会が多く、見た目を重視したい方には、小さくて目立ちにくい耳あな型(CICやIIC)が適しています。一方で、耳あな型は人によって耳の閉塞感や違和感に慣れない方もいらっしゃいます。したがって、装着感をより重視したい方は、耳かけ型がおすすめです。近年は、あえて「見せること」を前提にしたカラフルなデザインの耳かけ型補聴器も登場しており、補聴器をファッションの一部として楽しむユーザーも増えています。

どこで補聴器を使用するか(使用環境)

静かな場所でのみ使用するのか、騒がしい場所でも使用するのかによって、補聴器に必要な機能が異なります。例えば、騒がしい環境で使用することが多い場合は、雑音を抑制する機能や指向性の精度が高い製品がおすすめです。また、近年はテレビやスマートフォンと無線で連携するなど、補聴器をより便利に・快適に使用できる機能が搭載された製品も数多く販売されています。

ただし、これらの高度な機能は「耳あな型フルサイズ(ITE)」や「耳かけ型」に搭載されることが多く、最も小さいIICやCICには搭載できない場合があります。したがって、見た目や装着感、使用環境のバランスを考えて選ぶことが大切です。

★補聴器の「機能」をさらに詳しく知りたい方はコチラから↓

補聴器の機能を徹底解説!価格との関係や自分に合った補聴器の選び方

1日にどれぐらい動くか(活動量)

スポーツやアウトドアなど普段から活動量の多い方は、外れにくい耳あな型補聴器がおすすめです。また、汗をかきやすい環境では、耳かけ型補聴器は故障のリスクが高くなる可能性があります。

予算をどのぐらいに設定するか

一般に、耳あな型はオーダーメイドのため、耳かけ型よりも費用が高くなる傾向があります。ライフスタイルと予算、双方のバランスのとれた補聴器を選んでいきましょう。

「お試し」で使ってみて使用感を確かめる

多くの補聴器販売店では、購入前の試聴や貸し出しサービスを行っています。これらのサービスを利用して実際に製品を手に取り、装着感やつけ外しのしやすさ、電池の出し入れなどをあらかじめ確認しておくことも補聴器選びでは大切です。

ただし、オーダーメイドタイプの耳あな型補聴器は試聴ができないので注意が必要です。耳あな型をご希望の際は、既成品やサンプルを見せてもらって使用感をイメージしてみましょう。

最新データ(2022年)で探る! 補聴器所有者が選ぶ人気のタイプは?

Japantrak2022

出典:JapanTrak 2022 - 日本補聴器工業会

 

補聴器選びに迷ったとき、すでに補聴器を使用している方がどのタイプを選んでいるのかを参考にするのも方法の1つです。日本補聴器工業会が実施したジャパントラック2022の調査報告によると、すでに補聴器を保有している方に最も多く選ばれているのは RITE(RIC)タイプ(耳かけ型)で、次いで、耳あな型、従来型(BTE)と続きます。このデータからもわかるように、補聴器は外観の目立ちにくさと性能、コストのバランスがとれた RITE(RIC)タイプが今のところ人気が高いようです。

まとめ

以上をまとめると、耳あな型補聴器と耳かけ補聴器の選び方のポイントは次の4点です。

 

  • 耳あな型は目立ちにくいデザインとフィット感が特徴。メガネやマスクを頻繁につけ外しする方やスポーツを楽しむ方におすすめ
  • 耳かけ型は幅広い聴力レベルに対応しデザインも豊富。耳の閉塞感や音のこもりが気になる方は耳かけ型がおすすめ
  • 補聴器を購入する際は事前に耳鼻科を受診し、自身の聴力レベルを確認することが重要
  • 購入前に試聴や貸し出しサービスを利用して、実際の装着感や使用感を確かめる

 

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  • 記事投稿者

    影向 美樹

    影向美樹(ようこう みき)/医療専門ライター。元医療従事者(国家資格保有)。健康・医療に関する正しい情報をわかりやすく、丁寧にお届けいたします。

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