2018年は、スーパームーンなどとも呼ばれる年明け早々の1月2日の大きな満月とともに始まりました。昨年の12月中旬にはソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)に日本出身の金井宣茂宇宙飛行士が到着し、6か月間の宇宙長期滞在を開始するなど宇宙にロマンを抱く機会が増えているかもしれません。今回は月面や宇宙空間など音を運ぶ媒体のない場所ではどのように聞こえるのかを見ていきましょう。
私たちの住む地球は、たとえすべての生命体が消滅してしまったとしても、地球上が静かな場所にはなることはないとされます(生命体以外がすべて同じ条件で存在し続けるのであるならばですが)。
私たちは日常さまざまな自然界の音を耳にしています、波の音、風のそよぐ音、ときには火山の噴火が起こす衝撃音や、また地震の発生時にもそこには音が生まれます。私たちにとって身近な宇宙といえる月面上でどんな音が聞こえて来るのでしょうか?
人類史上初となる月面着陸は、1969年7月の米国のアポロ11号計画におけるニール・アームストロング船長と月着陸船操縦士エドウィン・オルドリンによる最初の一歩にまで遡ります。ニール・アームストロング船長は、月面に降り立ったときにどのような音を耳にしたのでしょうか?
音は物体の振動によって発生するものです。振動により音が発するその理由にはいろいろなものがありますが、いずれも物体がふるえることによって音が発生するのです。それでは音が伝わる仕組みはどのようになっているでしょうか?音がある場所からはなれた別の場所に伝わるためには、発生した物体のふるえ(音波)を伝えるための「媒体」または「流体」が必要です。
地球上では、空気がこの「媒体」であり、音を出す物体のふるえ(音波)が空気に伝わりそして離れた場所や私たちの耳へと届きます。また音は水、鉄などの金属、地面などを通じても伝播します(物体の粒子/原子/分子が互いに接触していれば音は伝わるのです)。
ところが月は宇宙にあって、宇宙は大部分が真空です。したがって、媒体となる空気がないため月では音は聞こえません。(宇宙空間では常にいくつかの原子が浮遊していますが、それらは互いに非常に離れており、相互に作用はしません)。
月面の表面にある月の海のひとつその名も「静かの海」に着陸したニール船長が耳にした音とは、テキサス・ヒューストンとアポロ11号の宇宙飛行士との通信メッセージだけでした。
■参照サイト:SERVI(Solar System Exploration Research)https://sservi.nasa.gov/?question=sound-moon
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記事投稿者
ヘルシーヒアリング編集局
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