今年も間もなく終わろうとしています。1年を締めくくる大晦日、そして新たな年の到来を祝うお正月…さまざまな年の迎え方があります。花火や年越しのコンサート、パーティなど、大晦日をにぎやかに過ごす予定のすべての方へ、大切な聞こえを守りながら、皆さんの耳の健康を保護できるかもしれないヒントをお届けします。
打ち上げ花火の音はジェットエンジンの音量レベル
年末のカウントダウンと新たな年の始まりを花火とともに迎えるイベントが、全国的に増えつつあります。会場に響く花火の音は夜空に開く大輪に彩を添えますが、その音量は時に120デシベルに達することもあります。これは、耳に安全とされる85デシベルをはるかに上回る音量です。花火の発射地点周辺に至っては、数分過ごすだけでも難聴につながることがあるレベル。耳の健康のためには花火から少し離れ、安全な場所から楽しむようにしましょう。
補聴器ユーザーの方は、騒音抑制のためのプログラム設定、または音楽モードなどを選択して全体的に音量を下げていただくことをおすすめします。このような機能設定のない補聴器を使用している場合は、騒音抑制を目的としたイヤーマフ(聞こえの保護具)を使うのもいいでしょう。非常にうるさい環境では、補聴器の電源をオフにすることも検討してください。
「耳せん」を活用するのもおすすめ
聴覚に関わる専門家たちは、85デシベルを超える騒音にさらされることは危険であるという見解で一致しています。花火鑑賞や年越しのロックコンサートなどで騒音にさらされたり、騒音源に近いところから鑑賞する可能性のある場合には、聞こえを守る保護製品を装着しましょう。
ウレタンフォーム素材などでできている耳せんは、薬局などで比較的簡単に購入でき、使用方法も簡単で、聞こえの保護に有効です。耳せんは最大35 デシベルの騒音を軽減することができると言われていますが、耳せんによって抑制効果は異なります。購入する際には製品のパッケージの記載内容を確認するようにしましょう。
子どもの耳は大人以上に保護が必要
聞こえてくる音が大人の耳に大きすぎると感じるのならば、その音は間違いなく子どもたちにも大きすぎる騒音です。子どもたちの聞こえは、大人のそれよりももっと敏感。何より、大きな騒音の危険性の影響を大人よりも受けやすいという事実があります。
成長段階にある子どもたちにとっての難聴はより重大な問題につながります。脳の認知機能の発達にも影響を与えるからです。非常に大きな音の発生が予想される場所へ足を運ぶ際は、前もって子どもたちに耳せんを準備しましょう。また、ヘッドフォン型の防音器具などもおすすめです。
耳を温かく守ることが健康にもつながる
夜遅い時間帯に寒い外気に耳をさらすことは、耳の血流量を下げます。血液循環の低下は、耳の感染症リスクを高めます。耳の不快感や痛みを伴う症状で知られている中耳炎などは、代表的な感染症の1つです。マフラーや防寒用の耳あて、保護器具であるイヤーマフなどを装着して、耳を温かく保つようにしましょう。
風邪をひくことによって、一時的に聴力が低下することがあります。耳を含めた全身を温かく保つことは、非常に大切なことなのです。
補聴器も寒さの影響を受けるので注意
年末を屋外で過ごす場合、補聴器を装用されている方は、イベントや外出を存分に楽しむために、外出前に補聴器の動作を確認するようにしましょう。気温の低い場所では電池寿命が短くなります、予備の電池を持参することもお忘れなく。
極端な気温の変化によって、補聴器に結露が生じたりする場合もあります。帽子や耳あてを活用して、補聴器を冷やさずにドライな状態に保つのが良い方法です。ただし、汗をかくほどの過度な防御は、逆に補聴器に結露を生じさせる原因になりますのでご注意ください。
お正月は耳にも休息を
もし大晦日を花火やロック音楽など大音量のもとで過ごした場合、耳には聞こえを回復させる時間が必要です。専門家たちは、騒がしいイベントなどに参加した後は少なくとも16時間は耳を休ませる必要があるとしています。回復に必要な時間は人によって異なるので、実際はこの時間よりもっと長く(2~3日)耳を休ませることが推奨されています。
耳に十分な休息時間を与えることを怠ってしまうと、恒久的な難聴を発するリスクが高まりますので気をつけましょう。
新たな年を健康な聞こえとともにお迎えください。
もし耳に違和感がある、またはいつもと聞こえ方が違う場合は、ぜひお近くの耳鼻医へご相談を。定期的に聞こえをチェックすることは、より良い聞こえや耳の健康へとつながります。
出典:オーティコン補聴器HP(※2021年11月29日追記:リンク切れにより削除)
※本記事はオーティコン補聴器HPにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として再編成したものです。本記事のコピーライトはオーティコン補聴器に帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
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記事投稿者
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