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補聴器の寿命はどのくらいですか?

  • 公開日:2024.06.12
補聴器
補聴器

新しい補聴器を選ぶ際には、その耐用年数を考慮することが重要です。車にたとえるなら、補聴器の「走行距離」は使用状況によって大きく異なることがあります。補聴器の寿命は約5年前後と言われていますが、定期的なメンテナンスや適切な取り扱いにより寿命を延ばすことができます。補聴器を選ぶ際には自分のライフスタイルや聞こえのニーズに合った機能やスタイルの補聴器を選ぶことが肝心です。

補聴器の平均寿命

現代の高品質な補聴器の耐用年数は平均して3年から7年と言われています。

ただし、まったく同じブランドの補聴器を購入しても、使用状況や使用環境よっては何年もつかは異なる可能性があることに注意してください。その理由を次にご紹介します。

補聴器の寿命に影響を与える9つのこと

補聴器の平均寿命に影響を与える要因は少なくとも9つあります。

  1. 補聴器の材料
  2. 清掃の頻度
  3. 補聴器を装用する場所
  4. バッテリーの種類
  5. 補聴器のスタイル
  6. 装用者の体質
  7. メンテナンスの頻度
  8. 技術の進歩
  9. 聞こえのニーズ

1.補聴器の材料

補聴器は耐久性を考慮して設計されていますが、プラスチック、金属、シリコン、ポリマーといった時間の経過とともに劣化する可能性のある材料でできています。現在販売されているほとんどの補聴器には、水、ほこり、湿気に耐えるための保護コーティングが施されていますが、傷や衝撃から保護するため、補聴器は丁寧に扱いましょう。

2.清掃の頻度

耳あか、湿気、ほこり、皮脂、汗、極端な温度、日光はすべて補聴器の寿命に影響を与えます。補聴器の寿命を延ばすには、ご自身で毎日掃除し、購入された販売店で定期的に点検・メンテナンスしてもらうとよいでしょう。

3.補聴器を装用する場所

じめじめ

湿気の多い環境、あるいはホコリの多い環境において、補聴器の性能の問題がでることがよくあります。そのような環境での装用が想定される方は、販売店スタッフに相談して、補聴器の保護対策について相談してください。汗カバーを使用したり、販売店によるクリーニングをより頻繁に行ったほうがよいかもしれません。

4.バッテリーの種類

充電式補聴器の場合、リチウムイオン電池は約4〜5年持続すると言われています。スマートフォンと同じように、長い間使用するほど、バッテリーのもちが短くなります。バッテリーの消耗が通常よりも早くなった場合は、リチウムイオン電池の交換、または新しい補聴器への買い替えるかについて、販売店スタッフに相談してみてください。

使い捨て空気電池(ボタン電池)式補聴器の場合、乾燥機能付きのケースを使用することで、乾いた状態に保ち、補聴器を長持ちさせるのにも役立ちます。その際はケースがお使いの補聴器に適合するか、販売店スタッフに確認するようにしましょう。

5.補聴器のスタイル

一般的な傾向として、耳あな型より耳かけ型の方が湿気の影響を受けやすい傾向があります。これは、本体が耳の穴の中に納まる耳あな型より、耳の外に位置する耳かけ型の方が汗水の影響を受けやすいためです。しかし、内部および外部部品へのナノコーティング技術の発達により、この耐久性の差は縮まってきています。

6.装用者の体質

人によって肌がとても脂性だったり、耳垢が多かったり、汗を掻きやすいなど、これらはすべて補聴器の寿命にも影響します。体質を変えることは困難ですので、補聴器を選ぶ際に販売店スタッフに相談して対策することが必要です。

7. メンテナンスの頻度

メンテナンス

ほとんどの補聴器には、耳あか防止フィルター、イヤーモールド、チューブ、ドーム、イヤーチップなど、交換できる部品があります。これらの部品は、販売店で交換を行います。

バッテリーのふた、スピーカーユニット、マイクカバーなど、損傷や故障で機能しなくなった場合、メーカーで交換または修理可能な部品もあります。

こういった部品交換は、補聴器をできるだけ長持ちさせるために非常に重要です。

8. 技術の進歩

古い補聴器を使っていると、保証期間切れが問題になることがあります。一般的には5〜10年で、補聴器メーカーは特定の補聴器の交換部品の製造を中止し、古い補聴器の修理が困難または不可能になる場合がございます。また補聴器プログラムに使用されるソフトウェアがサポート期間切れになることもあり、これにより古い補聴器の再プログラムが困難になることがあります。

6、7年前に発売された最先端の補聴器の技術は、今日では技術進歩により基本的な機能になっていることがあります。補聴器ユーザーの中には、今使用しているものに満足する方もいらっしゃいますが、4、5年後のより新しい技術が、ユーザーにとってよりよい聞こえをもたらす可能性があります。

9.聞こえのニーズの変化

ここまで、補聴器自体に焦点を当てて説明してきました。一方で装用者のニーズの変化も、補聴器の寿命に影響を与える可能性があります。数年後、難聴が進行した結果、より強力な補聴器や人工内耳の方が適しているというケースです。耳鳴りを発症した場合、耳鳴りの機能が必要になります。

補聴器について相談する

補聴器の寿命に影響する要因についてご紹介しました。丁寧に取り扱い、適切なメンテナンスをすることで、寿命を延ばすことができます。

現在の補聴器はもう十分使って、新しく補聴器の購入を検討されている場合、「聞こえの相談窓口検索」からお近くの補聴器取扱店を検索していただけます。また、ヘルシーヒアリングではWebフォームから聞こえや補聴器に関する無料相談をうけたまわっています。

現在のお使いの補聴器でサポートが必要な場合は、お買い求めになった補聴器販売店にご相談ください。

 

■英語版記事はこちらから

米国「HealthyHearing」2024年1月31日の記事「How long do hearing aids last?」(Susanne Jones 寄稿)

https://www.healthyhearing.com/report/30926-Long-do-hearing-aids

  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

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