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使っても聞こえない?補聴器を買ったのにつけなくなってしまう人の割合は20%。正しい補聴器との付き合い方

  • 公開日:2018.08.28
補聴器 ヒント 装着
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米国国立衛生研究所(NIH)によると、20%だけだそうです。これが何の割合かというと、本来であれば補聴器の恩恵を受けることができる人達の中で、実際には身に着けていない人達の割合です。思い切って補聴器を購入済みという皆様に向けて、葛藤を乗り越えたことに心からの敬意を表します。多くの方々は実際に補聴器を手に取るまで様々な葛藤があったことと想像します。購入された補聴器の利用状況はどうでしょうか?毎日使用している、あるいは補聴器は効果がないと思いこみ、使わなくなってしまっていませんか?

補聴器を使っていないのには理由がある

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多くの方々は、聞こえのサポートを目指し実際に補聴器を購入されています、しかしながらいろいろな理由から、補聴器の専門家からアドバイスされたようには使用していないというのも実際です。スポーツジムや習い事の会員費用やゴルフの会員権などと同様に、補聴器はご使用いただくことで初めて機能するものです、実は最近あまり補聴器をしていなかったなという皆様、少しだけお時間をいただけませんか?

フィット感が欠けているから

補聴器が正しく機能するためには、まずは補聴器があなたの耳にぴったりと合っている必要があります。補聴器を実際に耳につけたときに不快に感じる場合、補聴器の効果が十分に発揮できていない可能性があります。耳にかけるタイプの補聴器(BTEやRITE、RICなどと呼ばれるタイプの補聴器)をお使いの方で、始終耳から補聴器が外れてしまう方は、補聴器本体からつながるチューブやスピーカーの長さが長すぎたり、短すぎたりして耳に合っていない可能性があります。
耳あな型補聴器(オーダーメイド補聴器など)やイヤーモールド(オーダーメイドで作成する耳栓)をお使いの方は、耳の形に合っていない状態では耳に赤みが生じたり、腫れなどを引き起こしたりする可能性があります。

もしお使いの補聴器がぴったりと合っていないと感じておられる場合、どうぞお買い上げの補聴器販売店にご相談ください。補聴器販売店では、ぴったりと耳に合わせて補聴器の装用感を高めるための様々なことができます。お気に入りの靴に足を通すように、フィット感を高めた補聴器は手に取りやすくなります。

使い方が実はよく分からないから

今日の補聴器技術は信頼に足りうるものです、ただしそれは、補聴器の使用方法をご自身のものにしていただくことで初めて補聴器はその実力が出せるのです。補聴器の電池交換の方法や設定調整のためのスマートフォンのアプリの操作方法などを忘れてしまった場合、どうぞお買い求めの補聴器販売店にためらうことなく連絡してください。補聴器販売店の専門スタッフは、日常的に補聴器を扱っており、喜んで使用方法についてのアドバイスを行うことでしょう。もし繰り返し質問することになっても問題ありません。補聴器販売店では、何よりもお客様が購入された補聴器を最大限に活用していただけることを重視しており、そのために必要なサポートを行っています。

「特別な日のため」の補聴器だから

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もし皆様が、補聴器を「習い事」や「観劇」、「友人や家族と一緒に過ごす日」といった特別な時のためものとして、普段は使っていないとしたら、いざ助けがほしいその時に、補聴器は望んだだけの聞こえのサポート力を発揮できないかもしれません。(期待と違うと感じて補聴器を引き出しにしまっている方もいるかもしれません)それはなぜでしょうか? 聴覚の働き、すなわち言葉を聞いて理解する仕組みは「脳の活動」にあるからです。私たちの耳は外からの音を捉え増幅します。その音は耳の奥、内耳で電気信号に代えられへと送られます。記憶や経験情報などと照らし合わせて脳は音の持つ意味を解釈します。
難聴の程度と、補聴器の装用を含む聴覚ケアへ取り組むまでに過ぎた期間の長さによって、脳は自分の内耳から受信した音響信号が持つ意味を理解するためのいわばリハビリテーションの時間が必要となります。日常的に補聴器を装用いただくことで、しばらく聞いていなかった様々な音を再度捉え直し、いろいろな聞こえの環境に順応していくために脳が必要とする一貫した音情報を届けることができるようになります。
また、毎日の補聴器装用を習慣にしていただくことで、補聴器に親しむ機会ともなり、結果として補聴器から最大限のメリットを得ていただくことができます。

もうこの補聴器は効果がない気がするから

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使い始めたころは補聴器が役に立ったけれども、もはやより良く聞こえるようにならないと感じておられるユーザーの方は、その問題について、お買い上げの補聴器販売店の補聴器専門スタッフと共有いただくことが大切です。聴力の変化が生じてあなたに必要な音が変わっている、または耳垢詰まりや汚れによって補聴器のお手入れが必要な状態にある場合があります。(補聴器専門店での定期的なお手入れは補聴器の寿命を延ばします!)どのような理由がそこにあったとしても、補聴器販売店のスタッフを信頼いただき、問題の原因を見つけ出し必要な調整を行うようにすることが大切です。またもし耳や聞こえに対して違和感がある場合は、どうぞ併せて耳鼻科医を受診ください。より良い聞こえを保っていただくための道は、耳鼻科医などの聴覚ケアの専門家、そして補聴器販売店などの補聴器専門スタッフとののオープンで率直な対話から始まります。

なぜ補聴器を活用すべきなのでしょうか?

おそらく皆様自身もそのような情報をお持ちかもしれません、聴覚ケアの専門家や研究者たちは、補聴器を装用いただくことの重要性として、自身の健康全体への影響と生活の質(QOL)の向上に重要な意義があることを強調しています。
ドイツ、フランス、英国、イタリア、スイス、そして米国で12万人以上の人々が参加し行われた難聴補聴器に関する世界的な大規模調査であるユーロトラック2015並びに米国のマーケトラック9では、その裏付けが確認されています。本調査によれば、補聴器装用者10人に8人が、補聴器が自宅や職場での人間関係の改善や安全性と独立性の向上など、生活の質にプラスの影響を与えていると考えていると回答しています。
日本国内でも補聴器メーカー各社で構成する補聴器工業会によってユーロトラックに準ずる調査が行われています。補聴器装用者の全体的な満足度については、同ユーロトラックで最も満足度が低いとされる英国でさえ70%の満足度であるのに対して、日本国内では39%と大きく満足度が下回っています、補聴器についての専門的な知識を有する認定補聴器技能者の不足を同工業会は自省するとともに、「補聴器ユーザーをはじめ、そのご家族や一般の人々に補聴器使用への理解と受容が不足していることを如実に表していると思われる」との見解を示しています。
国内での満足度の結果に関わらず、皆様にとって補聴器の存在は、欧米各国の結果と同様に生活の質を上げるQOLとともに良い影響を得ることができると言えます。そのためには何よりもまず補聴器を引き出しから取り出し、日常でお使いいただくことがまず第一歩と言えます。

「習うより慣れろ」の心持ちとは?

補聴器を日常的に身に付けていただくことで補聴器の聞こえや働きがより身近なものになります。そしてさらに大切なこととは、しばらく聞いていなかったすべての音の情報を「脳に再度聞かせる」ことです。補聴器に慣れていただくことは、ご自身にとって、聞こえを支える脳にとって、そして生活の質を高めることこのすべてにおいてよりよいメリットを実現します。

既に聞こえに対して投資をしています!

新車を買ってガレージに置いたままにしておくでしょうか、多くの方はドライブを楽しみます。どうぞ聞こえへの投資として購入された補聴器、そこから得られるメリットの最大化を目指しましょう。先進の補聴器と共に、まずは静かな場所での散策などから始めてみて、音を感じる、友人や家族と一緒に補聴器で再び聞くことができた情景について話していただくなど、日常をより豊かなものにする聞こえの力を実感してください。

ご自身と身近な人たちの聞こえを考える

もし皆様の聞こえの力が活用できるとしたら、それは家族や近しい人たちにとっても声が届きにくいことで感じていた距離を解決し本来の日常を取り戻していただくことへとつながります。聞こえづらさをそのままに、また補聴器を使わないままにしておくことは、家族や友人など大切な人々とのコミュニケーションの難しさをもたらします。補聴器装用を妨げている問題があればその理由を問わず、どうぞお買い上げの販売店へご相談ください。難聴が人生を楽しむ妨げとなるべきではありません、多くの場合、そこには解決策があります。

最後に補聴器を購入してからずいぶん時間が経っている、または、実は補聴器をまだ実際には手にしていないという皆様は、ぜひ先進の補聴器についてご相談ください。お近くの補聴器専門店についてのご紹介も可能です。

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■参照文献

Hearing Aids Improve Hearing–and A LOT More

補聴器工業会「国内の現状と取り組み」

 

■本記事について

本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトはhealthyhearing.com及びheatlhyhearing.jpに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します。

 

■英語版記事はこちらから

米国「Healthy Hearing」2018年5月3日の記事「Why you don’t wear your hearing aids (and why you should)」(DebbyChan寄稿)
  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

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