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補聴器を試すことを決めた時、家族や友人と一緒に行くべき理由とは?【後編】

  • 公開日:2019.02.28
補聴器 技術 ヒント
女性3人

2回シリーズの前編では、家族や友人など親しい方に、専門家への聞こえの相談についてきてもらうことで、補聴器に対する理解がより深まり、さらに専門スタッフから聞いておくべき重要な点を共有することが補聴器装用の大きな助けになることをご紹介しました。今回はもう少し踏み込んで親しい方にも知ってほしい、生活の中でより便利に補聴器を使うための周辺機器、検討したいオプションについてご紹介致します。

 

前編はこちら

補聴器のオプションやアクセサリーについて

テレビはお好きですか?

スマートフォンや携帯電話などをお使いですか?

「はい」の方は、補聴器のワイヤレス接続機能やアクセサリーについてもスタッフにお尋ねください。

技術進歩のおかげで、補聴器はお使いのスマートフォンやテレビなどの音を補聴器に届けることができます。
ワイヤレス機能やアクセサリー機器との併用でより快適に補聴器を装用できます。

補聴器のメーカーやモデル、スタイルなどによって補聴器のオプション機能やアクセサリー機器は異なります。
ご自身の用途に合った製品を選択するためには、日常でどんな家電や電子機器を使用しているかについてもお話しください。
家族と一緒に来店することで、より詳しく伝えることができ、スタッフや家族と共に相談しながら最適な補聴器とアクセサリー機器との組み合わせを選ぶことができるでしょう。

  • Bluetooth(ブルートゥース)によるストリーミング機能はご存知ですか?
    ワイヤレス機器の使用に慣れている場合は、補聴器を検討する際に、ブルートゥースに対応した補聴器であるかを確認してください。
    ブルートゥースを使ったワイヤレス接続に対応した電子機器類と補聴器を一緒に利用(ペアリング)すると、スマートフォンや携帯電話での通話や家族や周囲の人と一緒に快適な音量でテレビが楽しめるなど日常の利便性が高まります。
     
  • 補聴器の聞こえをサポートする補聴補助システムの一つにFMシステムがあります。
    教室、劇場、空港やその他の公共の場などでFMシステムの設備を導入している場所が増えてきています。
    FMシステムに対応した補聴器は、このような場所で騒がしい状況での会話の聞き取りをサポートします。
    この技術は、聞き取りの妨げになる背景騒音を低減することで、音の明瞭度を向上させ、距離の離れた場所からの声も聞こえやすくします。
    このようなサポートシステムは、にぎやかな場所でもできるだけ聞こうと努力することで生じる精神的な疲れを軽減させることにも役立ちます。
     
  • 補聴器をできるだけ良い状態でお使いいただくために重要なアクセサリーとして電気式の補聴器専用の除湿機や乾燥機があります。
    実は補聴器にとっての大敵の一つが湿気や水分です。
    汗をかきやすい方、湿気の多い季節、または特定の職場など常に湿った環境にさらされることが多い方は、このようなアクセサリーを検討されても良いかもしれません。
    電気式の除湿器や乾燥機は30分~1時間程度で補聴器の湿気を取り除くことができます。
     
  • どのタイプの補聴器を購入するかは、耳の状態や難聴の度合いが大きな決め手になりますが、ライフスタイルも補聴器選びの重要な要素です。
    補聴器をあらゆるシーンで使いこなしていただくためのアクセサリーもあり、例えばスポーツやアウトドアで活動的に過ごす方には補聴器を保護する汗カバーや、補聴器を服の襟にクリップで止め落下を防ぐ補聴器用のコードなどは検討いただくべきアイテムです。
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聞こえの問題が補聴器を装用するほど深刻ではない場合や、逆に補聴器だけでは不十分な場面では、補聴器と違った聞こえのサポートが必要かもしれません。
 
補聴器の専門スタッフや家族とも相談いただき、下記で上げるような補助的な聞こえのサポート機器が、必要かどうかも検討してみてください。

  • 振動や光の点滅などをアラームに使用した目覚まし時計やドアベルなどの装置。
     
  • 振動または光の点滅などで煙の発生を告げる安全装置。
     
  • 音量調節機能を備えたワイヤレスヘッドセットなど、テレビを見るためのサポート音響機器。
     
  • 電話の会話を理解しやすくするための、増幅またはキャプション(文字で知らせる)付きの電話。

また市販の携帯電話やスマートフォンにも、聞こえをサポートするさまざまな機能を備えている場合があります。
この場合はお使いの携帯電話を扱っているショップや家電販売店などでご相談ください。

補聴器装用は聞こえの問題を解決する手段の一つです

わたしたちの聞こえにおいて脳が大きな働きを占めています。
脳の活動によって聞こえを認識しているのです。
聞こえづらさを感じてから補聴器や補助機器による聴覚ケアを始めるまでに要した時間の長さによって、脳は音を聞く方法を「忘れている」かもしれません。

補聴器を装用し始めて数日から数週間、特に補聴器を初めて使用される方は、耳慣れない音が聞こえて来ると感じるかもしれません。
かつて脳が日常のものと認識していた音であっても、再びその音を思い出すのに少し時間がかかるかもしれません。
静かな場所での装用から始めると、新しい音や長い間聞いていなかった音に慣れていくことができます。
補聴器に慣れるまでの間、家族や周囲の人の協力や励ましは大きな力になります。
初めて補聴器を使い始めた際には、補聴器によって、少しずつ調整方法を変えていく初心者向けの調整機能を搭載している場合もあります。

難聴をそのままにしておくことと、さまざまな医学的な問題との関連を示す多くの研究結果が発表されています。
それらにはうつ病、認知機能の低下に関するもの、心臓病や糖尿病との関係なども含まれています。

定期的な健康診断はさまざまなリスクを早期に発見することに役立ちますが、難聴についても同じです。
聞こえの低下は生活の質に大きな影響を与える可能性があります。

【ヘルシーヒアリング関連記事】定期健診の聴力検査で問題はないのに、難聴ってどういうこと!?

補聴器の検討をはじめ、より良い聞こえを取り戻していただくためにはさまざまな選択肢があり、考えるべきこともたくさんあります。
それこそが、あなたを支えてくれる家族や親しい人と共に補聴器販売店へ足を運んでいただくことをお勧めする理由です。

また補聴器を購入された後も、補聴器の使い方や、再調整、また定期的なお手入れのために補聴器販売店との関係は続いていきます。
補聴器販売店は、お客様に寄り添い、補聴器への期待をお聴きしながら、さまざまな聞こえに関する課題や問題を一緒に解決していきます。
ヘルシーヒアリングではそうした信頼できる補聴器販売店選びのお手伝いをこれからも続けて参ります。

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耳鳴りの症状などにお悩みの方に向けて:
耳鳴りにお悩みの方は、必ず耳鼻科医の診断を仰いでください。
耳鳴り対処の一環に補聴器が用いられることもありますが、必ず医師の指示が必要です。
 

■本記事について
本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトはhealthyhearing.com及びheatlhyhearing.jpに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します。
 

■英語版記事はこちらから
米国「Healthy Hearing」2019年2月11日の記事「Ready to get your hearing tested? Here's why you may want to bring someone with you」(DebbyChan寄稿)

  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

    ヘルシーヒアリング編集局

    1. ポータルサイト「ヘルシーヒアリング(healthyhearing.jp)」の運営
    2.「安心聞こえのネットワーク」連携サポート

  • 記事監修者

    若山 貴久子 先生

    若山 貴久子 先生

    1914年から100年以上の実績「若山医院 眼科耳鼻咽喉科」院長。■詳しいプロフィールを見る■

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