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梅雨の時期は夏よりも低い気温でも実は熱中症になりやすい?外耳炎にも要注意!

  • 公開日:2019.06.27
健康 生活
要注意!梅雨の時期は夏よりも低い気温でも実は熱中症になりやすい

熱中症が最も起こりやすいのは7月中旬~8月上旬の時期とされますが、梅雨時期には「真夏よりも低い気温」で熱中症が発生しやすいことが報告されています。またシニア世代や小さなお子さんなどは日常でのちょっとした体調変化に気づきにくく熱中症へとつながりやすいとの報告も。また梅雨時や夏は「外耳炎」といった耳のトラブルが増えやすい時期でもあります。体にはこまめな水分補給をそして耳はしっかりと乾燥を。ちょっとしたケアが健やかな毎日へとつながります。

6月に熱中症で救急搬送されるケースは残暑の時期より実は多い

総務省が2017年に集計したデータによると5~9月の5カ月間に熱中症からの救急搬送は、全国で約5万3,000人。年齢区分別にみると、満 65 歳以上の方が最も多く 2万5,930 人(48.9%)と約半数を占めています。これに成人(満 18 歳以上満 65 歳未満)が1万8,879 人(35.6%)と続きます。

熱中症のピークは7月、8月ですが、この年の6月に救急搬送された人は約3,500人。これは残暑が続く9月より1,000人以上も多い数字で、梅雨の時期でも決して安心できないことがわかります。

下図は救急搬送された人が熱中症にかかった環境です。熱中症は直射日光が降り注ぐ屋外で起こるものと思いがちですが、実は自宅など室内での発生が最も多く4割に迫ります。その後屋外、道路、そして道路工事現場や工場などの仕事場の順で発生しています。

要注意!梅雨の時期は夏よりも低い気温でも実は熱中症になりやすい_熱中症が発症しやすい場所についてのグラフ
データ出典:総務省消防庁「「平成28年の熱中症による救急搬送状況」」より

シニア世代は脱水症状になりやすく、一方で身体のSOSを自覚しにくい

熱中症とは、高温多湿な環境に長くいることで徐々に体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態をさします。屋外だけでなく、室内で何もしていないときでも発症し、重症化すると命の危険も伴う危険な症状につながりかねません。梅雨の時期は、体がまだ暑さや湿度に慣れていません。少し気温が上がっただけで、大きなダメージとなりやすく、こういうときほど注意が必要です。

特にシニア世代では、体温調節機能が低下しているため体に熱がたまりやすく、若年者よりも循環系への負担が大きい状態にあります。体の中の水分量も若者と比べると低いため、脱水状態に陥りやすいとされます。暑さやのどの渇きを感じにくいなど、体が出しているSOS信号にも気づきにくくなっているため、熱中症になりやすいリスク項目が増えてきます。

予防の基本は「定期的な水分&塩分補給」と「暑さを避ける」こと

要注意!梅雨の時期は夏よりも低い気温でも実は熱中症になりやすい

熱中症の予防は、「定期的な水分補給」と「暑さを避ける」ことが基本です。室内でも屋外でも、たとえのどの渇きを感じていなくても、こまめな水分補給がポイントです。汗には塩分も含まれるため、塩分も含まれているスポーツドリンクや経口補水液の飲み物がベストとされます。水と塩あめの組み合わせも良いアイデアかもしれません。*

*高血圧症など日頃より塩分をコントロールされている方はどうぞ、かかりつけの医師や薬剤師などにご相談ください。

衣服は通気性がよく、吸湿性・速乾性のあるものを選び、外出時には日傘や帽子を着用しましょう。直射日光を避けて日陰を利用し、こまめに休憩して水分・塩分補給をすることが大切です。室内では扇風機やエアコンで温度を調節しましょう。遮光カーテンやすだれ、打ち水を利用するのもいいでしょう。

特に熱帯夜は寝ている間に脱水症になるのを避けるためにも、エアコンを活用することをおすすめします。休憩の際には冷たいタオルなどで体を拭き、体温を下げるようにすると効果的です。

熱中症が疑われる場合には?

要注意!梅雨の時期は夏よりも低い気温でも実は熱中症になりやすい

熱中症になった場合、初期はめまいや立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が出ます。

こういった症状があっても、意識がしっかりしている場合はあわてる必要はありません。まずは涼しい場所に移動して衣服をゆるめ、濡れタオルを体に当てるなどして体温を下げましょう。落ち着いてきたら水分と塩分を補給します。1〜2時間安静にしても元気にならない場合は病院へ行きましょう。

ただし、水が飲めず会話もほとんどできない、意識がない、けいれんを起こすなどの症状が見られたら重症化している可能性が。迷わず救急車を呼びましょう。

夏に起きやすい耳のトラブル「外耳炎」にも注意!

梅雨や夏は熱中症だけでなく、耳のトラブルにも注意したいものがあります。それが「外耳炎」です。

「外耳炎」は英語で「Swimmer’s ear(スイマーの耳)」とも呼ばれており、泳いだ後に特によくみられます。耳に水が入ることによって感染が起こることが原因です。比較的一般的な症状ですが、国内外で毎年何百万人もの人々が痛みやかゆみを伴うこの症状にかかっています。外耳炎を訴える人々の数は特に夏に増加し、その約44%が6月から8月の間に発症しているとされます。特に外耳道の狭い子どもたちで発症するケースが多いとされますが、実際にはどの年齢の方にも影響があります。

2014年10月にニュージーランドのウェリントン病院が発表した研究によると、その名の通り定期的な水泳の習慣を持つ、スイマーの耳では、その他の人々に比較して約5倍外耳炎にかかる可能性が高いと報告されています。スイマーの問題とだけ考えがちですが、気温が高く湿度が高い環境に住んでいる私たちにとっては、耳の中の湿度が上がりやすく外耳炎にかかりやすい条件がそろっています。

それは中耳(鼓膜の奥)ではなく外耳(鼓膜の手前)におきるもので、耳の感染症として一般的に考えるものとは少し異なりますが、いずれの耳感染症も難聴を引き起こす可能性があり、中耳炎も同様です。腫れや滲出液などが耳道を通って内耳に影響を与えることも。良いお知らせは、通常治療すればすぐに良くなること。治療せずに放置しておくと大変な痛みを引き起こしたり、慢性化したり、一時的に聴力低下が起こる可能性もあるので気を付ける必要があります。

予防のポイントは、水に触れた後は耳をよく乾かすこと。いくつかの簡単な予防方法をご紹介します。

  • 水分を取る際に綿棒を使うと耳を傷つけることがあるので、乾いたタオルやティッシュを使うようにしましょう。
  • 入浴時やスイミングなどで耳に水が入ったと感じたら、余分な水分が耳から排出されるように頭を左右に傾けます。
  • 水遊びの際は耳栓を積極的に使用しましょう、湖や川などでの水遊びでは特にこのことが言えます。
  • 耳かきや綿棒を、耳穴に入れてはいけません。耳の入り口だけをやさしく掃除するようにしてください。
  • 耳の周りの水分が気になるときは、ドライヤーを低温モード/または冷風にセットし耳の近くの水分を飛ばしてください。

現在補聴器をご利用の方は、精密機器である補聴器は日常防水機能であっても入浴時やシャワー、水泳などの際には外しましょう。またご使用の際には耳の水分や汗を拭くなど、耳を常に乾いた状態にしてから装用いただくこともポイントです。

本記事では本格的な夏を前に熱中症、また耳を乾いた状態にしておくことの大切さなどについてお伝えしました。耳に違和感を感じるときは、どうぞ耳鼻科医へご相談ください。耳鼻科で補聴器を勧められたが情報が欲しい、また聞こえについて気になることがあるなどの際はどうぞ本サイトヘルシーヒアリングまでご相談ください。

 

 

■参照記事

Healthyhearing.com: Swimmer's ear can lead to temporary hearing loss

  • 記事投稿者

    ヘルシーヒアリング編集局

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